国内旅行業務取扱管理者は難しい?合格率と科目別の勉強方法

「テキストを読んだのに、選択肢で迷う」「JRの計算になると手が止まる」。国内旅行業務取扱管理者の勉強を難しいと感じたら、まず、分からなかった問題を一つ選び、用語・読み取り・計算のどこで止まったかを確かめてみましょう。
同じ不正解でも、必要な復習は違います。言葉の意味が曖昧なら基本へ戻り、条件を読み落としたなら文章の読み方を直す。計算の途中で止まるなら、答えより先に手順を確かめます。苦手の正体が見えると、次に取り組むことを決めやすくなります。
この記事では、公式の合格率と合格基準を確認したうえで、法令・約款・国内旅行実務の勉強方法、働きながら復習を続ける工夫を紹介します。社員の受験を支援する担当者の方にも、課題を共有する材料としてお使いいただけます。
国内旅行業務取扱管理者は難しい?合格率を読むときの注意点
2026年度の国内旅行業務取扱管理者試験は、全受験者の合格率が28.6%、全科目受験者の合格率が26.3%でした。全体の数字には科目免除を受けた方も含まれるため、これから3科目を受験する方は、全科目受験者の数字も確認しましょう。
| 年度 | 全体(免除区分を含む) | 全科目受験者 |
|---|---|---|
| 2026年度 | 28.6% 受験10,982人/合格3,136人 |
26.3% 受験10,285人/合格2,707人 |
| 2025年度 | 35.6% 受験10,329人/合格3,675人 |
34.1% 受験9,759人/合格3,330人 |
出典:全国旅行業協会(ANTA)2026年度実施結果・2025年度実施結果。
2026年度は前年より合格率が下がっています。ただし、この数字だけで、問題の難化が原因だとは判断できません。また、全体の合格率は、自分が合格できる確率でもありません。受験する科目を確認し、実際に問題を解いて、学習の出発点をつかむことが大切です。
全科目受験では、3科目それぞれに60点以上が必要
2026年度の公式な合格基準は、各科目100点中60点以上です。全科目受験では、法令・約款・国内旅行実務のすべてで基準を満たす必要があります。
例えば「法令80点・約款80点・国内旅行実務56点」では、合計が216点でも全体合格には届きません。これは基準を説明するための仮の得点例です。得意科目を伸ばすだけでなく、基準に届いていない科目を見つけ、復習を配分しましょう。
配点と合格点はANTAの2026年度出題例の正解・配点で確認できます。受験区分や免除要件は、受験する年度の案内で確認してください。
法令・約款・国内旅行実務で、勉強方法を変える
3科目を、すべて同じように読み返す必要はありません。ここでは、問題を解いた後に試せる復習方法を紹介します。公式に指定された勉強法ではなく、本記事が提案する学習の例です。
法令:選択肢を「誰が・何を・どの条件で」に分ける
長い文章を一度に覚えようとせず、主体・行為・条件を分けて読みます。「誰についての規定か」「何をしなければならないのか」「例外や期限はあるか」を確認すると、似た表現の違いを探しやすくなります。
間違えた選択肢は、答えの記号だけを書き写さず、「この条件が違う。正しくはテキストのこの規定」と一行で残してみましょう。読み直した後は資料を閉じ、どの部分が誤りだったかを自分の言葉で説明します。
約款:用語や数字を、契約の流れに結び付ける
約款の問題では、まず、どの旅行契約・どの約款の話かを確認します。そのうえで、申込み、契約成立、変更・解除、責任や補償といった場面に沿って整理します。場面が違う規定を、数字だけでひとまとめに覚えないようにしましょう。
似た規定で迷ったら、教材の該当箇所を並べ、「契約の種類」「どの場面か」「適用する条件」を比較します。例えば契約成立と取消しの問題を混同した場合は、解説の結論だけでなく、判断の前提となる場面を確認するところから復習できます。
国内旅行実務:計算は途中式、地理は位置と特徴を確かめる
運賃・料金の問題は、解説の計算結果をなぞる前に、問題文の条件を書き出します。利用区間、人数、利用日、割引の有無などのうち、その問題で何を使うのかを確認し、どの規則をどの順序で当てはめたかを追いましょう。
途中で分からなくなったら、「条件を拾えなかった」「使う規則を選べなかった」「計算や端数処理で間違えた」のどこかを記録します。同じ答えを再現できても、途中式の意味を説明できなければ、該当する基本例題へ戻ります。
国内観光地理は、名称だけでなく、都道府県、地図上の位置、観光資源の特徴を組み合わせて確認します。誤答した場所を地図で探し、混同した場所との違いを一つ言えるようにする、といった復習から始められます。
科目ごとに確かめる点を変え、答えだけでなく、選んだ理由を説明できるか確認しましょう。

間違えた問題を4つに分け、次の復習を決める
問題集や公式の出題例を解いたら、点数だけでなく、迷った理由を記録します。すべての誤答を「暗記不足」で片付けず、次のように分けてみてください。
| つまずき | 確認すること | 次の行動 |
|---|---|---|
| 用語が分からない | 言葉や規定の意味を説明できるか | 該当単元に戻り、意味を短く説明する |
| 条件を読み落とした | 主語、条件、例外を見落としていないか | 見落とした箇所に印を付け、判断が変わる理由を確認する |
| 計算の途中で止まる | どの条件・規則・手順で止まったか | 使う条件と途中式を書き、基本例題で確かめる |
| 解けるが時間が足りない | 読む・考える・計算する、のどこに時間を使ったか | 科目別に時間を測り、解く順番や見直しの時間を調整する |
記録は「問題・原因・次にすること」の3つから
例えば、約款の問題で契約の種類を取り違えたなら、「約款の問題A/契約の種類を見落とした/該当する2つの契約を比較してから解き直す」と書きます。これは説明用の架空の記録例です。
正解した問題でも、理由を説明できなければ復習の対象に入れましょう。次に解き直すときは、答えを覚えているかだけでなく、前に迷った条件を説明できるか確かめます。

仕事と両立するなら、読む時間と解く時間を使い分ける
忙しい時期は、学習量を増やすことばかり考えると、続けるのが難しくなります。すき間にできる復習と、机で取り組む問題を分け、次に開く教材や問題を決めておきましょう。
- 短い時間:前に間違えた用語や地理を確認し、意味や位置を思い出す。
- 机で取り組める時間:法令・約款の選択肢を読み分ける、国内実務の計算過程を書く。
- 通して取り組める時間:受験区分に応じた制限時間で演習し、知識と時間の両方を確かめる。
1回の学習の終わりに、「次はどの問題を、何の確認のために解くか」を一行残しておくと、再開する場所が明確になります。学習計画は、正答状況や仕事の予定を見て調整します。
時間をかければ解けるのに通し演習では終わらない方は、国内旅行業務取扱管理者の時間配分は?CBTで焦らないための解く順番と練習法も参考にしてください。科目別の所要時間を測り、自分の解く順番を試す方法を紹介しています。
合格者はどう学んだ?協会の取材で聞いた工夫
全国農協観光協会が取材した2024年度の合格者にも、文章の読み取りや国内旅行実務に難しさを感じた方がいました。ここでは、学習の進め方に関わる経験を紹介します。
誤答の理由を調べ、選択肢に書き込んだOさん
Oさんは、間違えた回数に応じて印の色を変え、選択肢のどこを誤ったのか調べて記録していました。また、国内旅行実務はテキストだけでは理解に時間がかかり、苦手分野に絞った講座を探したと振り返っています。
経験だけに頼らず、苦手なJRの学習に取り組んだHさん
Hさんは添乗の経験があっても、JRなど試験で問われる知識を学ぶ必要があったと話しています。講習後には苦手なJRを先に学習し、仕事や育児の合間に、朝や昼休みも活用していました。
いずれも2024年度の個人の経験です。業界経験や教材を読んだ回数だけで判断せず、演習で分かった自分の苦手に合わせて取り組む、という視点を学習計画に取り入れてみましょう。
社員の受験準備を、個人任せにしないために
社内で共通してつまずく分野や、自習だけでは理解が進みにくい点が見えたら、社員向け講習を検討する材料になります。本会の現在の講習案内をご確認ください。
勉強方法・合格率についてよくある疑問
初学者には難しい試験ですか?独学でも受験できますか?
受験資格に学歴や旅行業務の経験の制限はありません。受験前の講座受講も必須ではありません。ただし、専門用語、約款、運賃・料金などの学習は必要です。まず教材の基本部分と出題例に取り組み、解説を読んでも分からない箇所がどこかを確かめましょう。
何時間勉強すれば合格できますか?
必要な時間は、これまでの知識、受験科目、学習状況によって変わります。一律の時間を合格の目安にするより、科目ごとの理解と正答状況を確かめ、基礎学習・問題演習・解き直しに必要な時間を計画に入れましょう。
CBT試験の自己採点や、結果の確認はどうすればよいですか?
国内試験のCBTは受験者ごとに問題が異なり、試験問題を持ち帰れません。公開される出題例の正解で、自分が受けた問題一式を自己採点することはできません。合否、科目合格の有無、科目別得点は、発表後に受験者マイページで確認します。手順はANTAの受験案内をご覧ください。
不合格でも、国内旅行実務の科目合格を次に生かせますか?
2026年度は、全科目または免除Bの不合格者で、国内旅行実務が合格基準に達した場合に科目合格となります。翌年度に限り、申込み時に所定の免除申請をすることで国内旅行実務の免除を受けられます。法令・約款が、この制度で科目合格として持ち越されるわけではありません。申請書類や条件は、次に受験する年度の公式案内で確認してください。
社員・グループ向けの試験対策講習をご相談ください
旅行会社や旅行業を営むバス会社などで、社員の資格取得を支援したい担当者の方は、受験予定年度、予定人数、受験科目、困っている分野を整理して本会へご相談ください。受験する社員の方も、誤答の記録を共有すると、どのような支援が必要かを勤務先へ伝えやすくなります。
2026年度の通常の国内試験対策講座は休講しています。会社単位やまとまった人数での受注講習は相談を受け付けています。実施可否、対応内容、日程、費用等は個別にお問い合わせください。
苦手が分かったところから、次の学習へ
お問い合わせ内容に「国内旅行業務取扱管理者の試験対策講習について」と記載し、予定人数・希望時期・学習上の課題をお知らせください。
教育研修のお問い合わせ:03-5297-0324(平日9:30〜17:00)
試験の手続き・合否等はANTAの公式案内で、講習については本会へご確認ください。本会の試験対策講座は、受験科目免除につながる所定の管理者研修や、添乗に関する旅程管理研修とは異なります。
制度・講習情報の確認日:2026年10月19日。制度は2026年度の公式案内に基づきます。受験年度の最新要項をご確認ください。勉強方法は、本記事で紹介する学習の例です。
