河口湖から届く奇跡の自然栽培にんにく!無農薬・無肥料で育む(広報誌ふれあい2025夏号)
富士山の麓、風光明媚な河口湖町で、安心安全な野菜作りを目指す「河口湖自然栽培にんにく農園 Mt.Fuji Green Kids Farm」をご存じですか? 園主のかわじみき(酒井美紀)さんは、エコデザインの知見を活かし、無農薬・無肥料というこだわりの栽培方法で、市場ではほとんど手に入らない希少な国産にんにくを育てています。
※ふれあい誌面とは内容が異なります。
農業女子つ・な・ぐPJ河口湖から届く奇跡の自然栽培にんにく!
P.18~P.19 拡大PDF全ページを見る
河口湖自然栽培にんにく農園 Mt.Fuji Green Kids Farm かわじみき
福井県出身、酒井美紀さん。エコデザイン、サステナブルデザインを学び、フリーランスデザイナーとして東京を拠点に活動後、農業を志す夫とともに2016年に山梨県富士河口湖町に移住。体に優しい野菜作りにこだわり、無農薬・無肥料でにんにくを栽培しながら、食育や農業に関する理解を深めるイベントも主催しています。
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農業に目覚めた夫と山梨に移住し、にんにく農家に
自分が地方出身者だから、東京を離れて、どこかに移住したいと考えたことはなかったんです。ただ、エコデザインの仕事などで自然の多い土地を訪ねることが多々あり、そのときに当時お付き合いしていた夫をデートがてら連れ回していたら、夫のほうが農業に目覚めてしまって。農家の担い手不足と食の安全に関心があり、農家になりたかったようです。
世田谷区の大平農園と赤目自然農塾で学び、都内へ日帰り圏内の河口湖に移住しましたが、思い通りには野菜が育ちませんでした。私は、ママや子どもが安心して食べられる離乳食に使えるような野菜を多品目で栽培したかったんです。でも、唯一、無農薬・無肥料で育てることができたのが北海道で栽培されている在来種のにんにくでした。河口湖の冬は氷点下になり、土が凍ってしまうので、北国の過酷な環境で育つ野菜が合っていたのでしょう。このにんにくとの出会いまでに3年、この土地でちゃんと育つ品種か見極めるのに3年。2016年の移住から6年かけて試行錯誤し、ようやく本格的に農業を始めることができました。
無農薬だから食べられる希少な国産にんにくの芽
貴重な国産にんにくの芽と生にんにく。 耕作放棄地を借り、家族総出で開墾したにんにく畑。
にんにくの芽は5月末から6月15日くらいまでの約2週間、にんにくの玉は7月の1カ月間に収穫します。流通しているにんにくの芽はほぼ中国産で、国産は0.4%。在来種はさらに少ないんです。このおいしさをぜひ味わってほしくて、通販やマルシェで販売しています。先日、東京・六本木のマルシェに出店しましたが、たくさんの人が手に取ってくれました!
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収穫したにんにくは3週間以上乾燥させてから出荷します。水分をたっぷり含んだ甘味のある生にんにくも、収穫期にしか食べられないもの。しかも、芽と生にんにくを同時に食べられる期間は、玉の収穫が始まってから約10日間だけなんです。毎年この時期には一流シェフとコラボした、にんにく料理が食べられる交流イベントを開催。11月には、河口湖の古民家宿屋と提携し、植え付け体験と食のイベントを主催しています。
農家型デザイナーとして農業の課題解決をめざす
子どもが安心して食べられる野菜作りにこだわる、かわじさんが育てるにんにくは薄紫色の内皮が特徴。 「黒にんにく」や「乾燥ニンニクの芽」といった加工品も販売。 夫の酒井崇さんと農作業をするかわじさん。 無農薬だから食べられる希少な国産にんにくの芽。
子どものための野菜作りからは離れてしまいましたが、息子の友達が農作業を手伝ってくれたり、幼稚園の農業体験を受け入れたり、子どもたちとかかわりながら農業ができるのはうれしいですね。移住したばかりの頃は土地柄が合わず泣いていた息子も、中学生になり、食に興味をもってシェフを夢見ています。ただ、年間1万株のにんにくを作り、加工品など付加価値をつけて販売しても、これだけでは食べていけません。また、知り合いの若い農家さんが離農したり、オーガニックのお店をたたんでしまったりする状況にも危機感を覚えています。食と直結する農業は、農家だけのものではないと考えています。私は農家型デザイナーを自称していますが、たとえ農作業をしなくても農業にかかわることはできます。社会課題をデザインで解決する仕事をやってきたということもあり、農業の価値を高めるという課題に向き合っていきたいと思っています。
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まとめ
河口湖の自然が育む、安心・安全な奇跡のにんにく:Mt.Fuji Green Kids Farm
山梨県富士河口湖町に位置する「Mt.Fuji Green Kids Farm」は、福井県出身のフリーランスデザイナーかわじみき(酒井美紀)さんが営む、自然栽培にんにく農園です。夫の農業への情熱をきっかけに2016年に移住し、試行錯誤の末、河口湖の厳しい冬に合う北海道在来種のにんにくと出会い、無農薬・無肥料での栽培に成功しました。
特に希少なのは、国産にんにくの芽(流通量0.4%)。5月末から約2週間しか味わえないこの芽と、7月に収穫される甘みのある生にんにくは、収穫期限定の逸品です。かわじさんは通販やマルシェでの販売に加え、一流シェフとのコラボイベントや植え付け体験を通じて、にんにくの魅力を発信し、食育にも貢献しています。農業が直面する課題解決にも意欲的です。持続可能な農業の価値を高め、食の安全を守りながら、多くの人々に「一粒のいのちの価値」を届けたいという強い思いで、精力的に活動を続けています。
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