豊かな水と大地の物語。秦野市で五感で学ぶ、親子農育ツアー
日々の忙しさの中で、ふと立ち止まり、心安らぐ場所を求めていませんか? 都会の喧騒を離れ、自然の香りを胸いっぱいに吸い込み、お子さんや家族と五感をフルに使って学び、体験する時間を大切にしたい。そんな穏やかで豊かな暮らしを求めるあなたへ、特別な体験ツアーをご提案します。
神奈川県秦野市で繰り広げられる、「名水と大地の物語を五感で学ぶ親子農育ツアー」です。環境省選定の「名水百選」に選ばれた清らかな水、そして地球の歴史が刻まれたユニークな地層。これらが育む豊かな自然の中で、お子さんと一緒に土に触れ、作物を収穫し、食の恵みに感謝する。そんな心ときめくひとときが、あなたを待っています。この記事では、秦野市が誇る水と大地の魅力、そして、お子さんの「なぜ?」を育み、家族の絆を深める特別なツアーについて、たっぷりご紹介します。
五感で学ぶ、親子農育ツアー
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・地下7億5千万トンの奇跡!秦野市が誇る「名水」の秘密 ・未来を育む実践型学習!五感で学ぶ親子農育ツアー in 秦野 |
地下7億5千万トンの奇跡!秦野市が誇る「名水」の秘密
「水」は、私たちの暮らしに欠かせないもの。でも、その水が、実は壮大な自然の物語と、人々の努力の結晶だとしたら、どうでしょう? 神奈川県秦野市は、まさに「水」が主役のまちなんです。
「秦野市の水」について深掘りすると、秦野市は、環境省が選定した「名水百選」の一つである「秦野盆地湧水群」に恵まれています。神奈川県唯一の盆地である秦野盆地の地下構造は、約7億5千万トンもの地下水を蓄える「天然の水がめ(地下水盆)」となっています。想像してみてください、東京ドーム何個分もの水が、あなたの足元に広がっています。この豊富な地下水が市内各地で湧き出し、古くから人々の生活を支えてきました。秦野市が「名水百選」に選ばれたのは、単に水が豊富だからではありません。地域の人々が、条例や要綱を定め、長年にわたり水質保全に努めてきたことが、高く評価された証なのです。
秦野市の水は、市民共有の財産として「秦野名水」という呼称でその価値が表現されています。特に、地下水をボトリングした「おいしい秦野の水~丹沢の雫~」は、その美味しさが全国に認められています。平成28年3月には、「名水百選選抜総選挙おいしさが素晴らしい名水部門」で全国1位に輝きました。丹沢の山々が育んだ地下水をくみ上げ、安全な水道水にした後、塩素を除去してボトリングされたこの水は、硬度89mg/ℓのまろやかな軟水。口に含めば、スーッと身体に染み渡るような、優しい味わいが特徴です。
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秦野市内の秦野名水を味わえるスポット
秦野市内には、この秦野名水を味わえるスポットが数多く点在しています。「秦野 名水スポット」を訪れるなら、旅の僧(後に弘法大師と判明)が杖を地面につくと水が湧き出たという伝説が残る「弘法の清水」。年間を通して水温が約16℃前後で安定し、清らかな水が常に湧き出ています。「まいまいの泉」や「どうめいの泉」では、地下深くから自噴する地下水に触れることができます。曽屋神社の旧社名にちなんだ「井之明神水」は、江戸時代から人々の生活を支えてきました。出雲大社相模分祠の境内にある「ゆずりの水」は、地下51メートルから湧き上がる神聖な水です。
特に訪れてほしいのが、「今泉名水桜公園(今泉湧水池)」です。古代からの水汲み場所であり、池の底からは日量約2,500トンもの地下水が湧き出し、秦野盆地湧水群の中でもトップクラスの湧出量を誇ります。建築家の安藤忠雄氏の基本設計により整備され、18種類50本の桜が植えられています。春には桜と名水の美しいコントラストが楽しめます。他にも、山伏が修行の際に身を清めたと伝えられる「護摩屋敷の水」や、昭和60年の名水百選選定をきっかけに整備された「葛葉の泉」など、秦野市には、人々の暮らしに寄り添い、歴史を紡いできた名水の物語があふれています。
かつて秦野市では、高度経済成長期の地下水位低下や工場等による地下水汚染という苦い歴史がありました。しかし、その経験から学び、市民、事業所、行政が一体となって地下水のかん養や汚染対策に取り組んできました。現在では「健全で持続可能な水循環の創造」を目指し、「使う」・「守る」・「育てる」・「伝える」という取り組みが行われています。秦野の「名水」は、単なる美味しい水ではなく、人々の環境への意識の高さと、未来への願いが込められた、大切な宝物なのです。
地球の歴史を読み解く。秦野市が持つ「地層と地形」のロマン
秦野市の魅力は、清らかな水だけではありません。その壮大な自然の背景には、地球の営みが刻まれた、ユニークな地層と地形があります。まるでタイムカプセルのように、何万年もの歴史が地中に眠っています。
「秦野市 地層」について深掘りすると、秦野市は、北を雄大な丹沢山塊(大山、三ノ塔、塔ノ岳、鍋割山など)、南を更新世末に隆起したなだらかな渋沢丘陵に挟まれた、神奈川県唯一の典型的な盆地を形成しています。市内の最高地点は塔ノ岳の標高1,490.9メートル、最低地点は鶴巻地区の16.2メートルと、標高差も大きく、多様な表情を見せてくれます。
秦野盆地の地質は、基盤を形成する緑色凝灰岩の上に、丹沢山地からの砂礫と、箱根火山や富士山などからの降下火山灰が互層をなして堆積しています。盆地の中央部ではこの堆積物の厚さが約150メートルと推定されています。まるで、何層にも重なったミルフィーユのようですね。
このような地質構造が、先ほどご紹介した水の循環に大きく影響しています。例えば、水無川の流水は、扇頂部にあたる大倉付近から伏流水(地下を流れる水)となり、扇端部の今泉・平沢付近で湧き出しています。また、室川の地下には東西に走る「渋沢断層」が存在し、これが「天然の地下ダム」の役割を果たしていると考えられています。この断層の北側には今泉湧水群、南側には渋沢湧水群が分布しており、それぞれ地下水の由来や流動方向が異なるんですよ。盆地の南縁には秦野断層も存在し、大地が織りなす複雑なドラマを感じさせます。
特に注目すべきは、葛葉(くずは)峡谷です。約5万年前の渋沢断層の活動により秦野盆地の地形が顕著になった頃、葛葉川を横切る秦野断層も活動し、下流側が高く隆起して流れが緩やかになりました。これにより、蛇行しながら川床が削られ、下流に行くほど高い崖を持つ葛葉峡谷が形成されました。この峡谷は、まさに地球のダイナミックな営みが作り出した、自然の美術館と言えるでしょう。
葛葉峡谷には、秦野盆地の断面を自然な状態で観察できる地層の崖(露頭)が残されており、けやきの道の渡渉石近くにその代表的な場所があります。ここを訪れれば、約12万~13万年前の「葛葉台礫層(くずはだいれきそう)」から、箱根火山や古富士火山などからの火山灰が堆積した「吉沢ローム層」、そして約5.5万年前の「岩倉礫層(いわくられきそう)」まで、数万年もの地球の歴史を直接見て、触れることができます。
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特にローム層中には、箱根火山の大規模な噴火により飛来したクリーム色の軽石と火山灰が混じった何層ものテフラ(火山噴出物の総称)が見られます。これらには輝石、磁鉄鉱、斜長石などの鉱物が含まれており、噴火した火山や時期によって鉱物の種類や量に特徴があります。中でも、Pm-1(木曽御嶽第一軽石層)は、広い範囲に降り積もり、年代特定の手がかりとなる広域テフラです。これらの地層の崖は定期的に整備され、各層が分かるようにプレートが付けられています。お子さんと一緒に、地球の壮大な歴史に思いを馳せる、知的好奇心をくすぐる体験となるでしょう。
未来を育む実践型学習!五感で学ぶ親子農育ツアー in 秦野
秦野市が誇る豊かな自然環境は、単なる景観の美しさにとどまりません。これらを活かした、未来を担う子どもたちのための特別な学びの場を用意しました。本会の企画する、「都市と農を”つなぐ”五感で学ぶ 親子農育ツアー in 秦野」です。
「秦野 親子農育ツアー」は、横浜国立大学「アグリッジプロジェクト」との産学連携によって企画された、本格的な体験学習ツアーです。首都圏在住の小学生高学年とその保護者を対象に、2025年9月27日(土)に実施が予定されており、募集人員は30名と、少人数で充実した体験ができるように配慮しています。
このツアーの目的は、子どもたちに、農業や食べ物の大切さ、そして自然と暮らしのつながりを、座学だけでなく、五感をフルに使って楽しく学んでもらうことです。大学生たちが主体となって提案したプログラムに基づいており、お子さんの「なぜ?」を刺激し、知的好奇心を育む工夫が随所に凝らされています。
ツアーでは、以下のような魅力的な活動が盛り込まれています。 まず、「自然観察施設くずはの家での学習」です。ここでは、秦野の地質や名水が、どのようにして育まれてきたのかを学びます。地球の歴史と水脈が、私たちの暮らしにどのように繋がっているのかを知ることで、自然への理解が深まるでしょう。 次に、「本町公民館での学習」。ここでは、かつてたばこ産地として栄え、そこから落花生栽培へと変化してきた秦野市の農業の歴史を学びます。地域の産業の変遷を知ることで、食と地域の関わりを深く理解することができます。 そして、ツアーのハイライトの一つが、「三嶽農園での体験」です。ここでは、秦野市の特産品である落花生の収穫体験を通じて、実際に土に触れ、農家の方々と交流します。自分の手で土の中から落花生を掘り出す喜びは、きっとお子さんの心に深く刻まれるでしょう。農家さんの話を聞きながら、作物が育つことの尊さ、食のありがたみを肌で感じることができます。
このツアーは、地層や良質な水といった秦野の豊かな自然環境に触れながら、クイズラリーや収穫体験などを通じて、農業と地域文化の奥深さを五感で学ぶ実践型学習です。都市部に暮らす子どもたちにとって、自然の恵みや農業の営みに触れる、本当に貴重な機会となるでしょう。
五感を刺激する学び。秦野農育ツアーが育む親子の絆と豊かな心
「都市と農を”つなぐ”五感で学ぶ 親子農育ツアー in 秦野」は、単なる体験学習に留まりません。親子の絆を深め、お子さんの心を豊かに育む、かけがえのない時間となるでしょう。
普段の都市生活では、土に触れる機会はほとんどありませんよね。でも、このツアーでは、お子さんと一緒に土の感触を足の裏に感じ、土の匂いを胸いっぱいに吸い込むことができます。土の中から、落花生が顔を出した時の感動は、きっと言葉にできないほど大きなものとなるでしょう。自分の手で収穫した野菜の味は、スーパーで買う野菜とは比べ物にならないほど、美味しく感じられるはずです。
お子さんの「なんで水が湧いてくるの?」「どうしてこんなに長い地層があるの?」といった疑問に、専門家や大学生が優しく答えてくれます。座学だけでなく、実際に目で見たり、触れたり、匂いを嗅いだり、味わったりと、五感をフルに使うことで、学びはより深く、より記憶に残るものとなります。知識としてだけでなく、体で覚える学びは、お子さんの探究心や、物事を深く考える力を育んでくれるでしょう。
そして、このツアーは、親子のコミュニケーションを深める絶好の機会でもあります。一緒に土を掘り、一緒に学び、一緒に感動する。共通の体験を通じて、普段話せないようなことも自然と話せるようになるかもしれません。お子さんの新たな一面を発見したり、お子さんの成長を間近で感じられたりする、そんな貴重な時間になるでしょう。
都会での生活は便利で刺激的ですが、時に私たちは、もっとシンプルで、もっと自然に近い生活を求めたくなることがありますよね。土に触れることの癒し、植物の生命力に触れることの心地よさ。それは、私たちが本来持っている、自然との繋がりを求める気持ちなのかもしれませんね。秦野の豊かな自然の中で、お子さんと一緒に、心も体もリフレッシュし、新しい発見と感動を体験してみませんか?
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おわりに
神奈川県秦野市は、環境省選定「名水百選」に選ばれた「秦野盆地湧水群」を擁し、約7億5千万トンの地下水を蓄える「天然の水がめ」を持つ水の郷です。丹沢の山々が育んだ軟水は「おいしい秦野の水」として全国1位に輝くなど、その美味しさは折り紙つき。市内には「弘法の清水」など名水スポットが点在し、人々の暮らしに寄り添う水の歴史を感じさせます。また、秦野盆地は独特の地層・地形が特徴で、葛葉峡谷の地層の崖では、数万年前の地球の歴史を五感で学ぶことができます。こうした豊かな自然を活かし、横浜国立大学と連携した「都市と農を”つなぐ”五感で学ぶ 親子農育ツアー in 秦野」を2025年9月27日(土)に開催します。ツアーでは、地質や水の学習、秦野の農業史の学び、そして落花生の収穫体験を通じて、お子さんが農業や食の大切さ、自然と暮らしの繋がりを五感で体感できます。土に触れ、自然の恵みに感謝し、家族の絆を深める特別な一日。ぜひ秦野市で、心豊かな学びと感動を体験してください。
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