シントリ菜とは?炒め物・スープで楽しむ使い方と旬・保存のコツ

江戸東京野菜 | 品目ガイド
シントリ菜は、やわらかな黄緑色の葉と、歯ざわりのよい白い軸を持つ江戸東京野菜です。「ちりめん白菜」とも呼ばれ、炒め物やスープ、おひたしなどに使えます。初めて手に取ったら、葉と軸で火の通し方を変えてみましょう。いつもの料理に取り入れるための使い方と、買い方・保存のポイントを紹介します。
シントリ菜はどんな野菜?白い軸と縮れた葉が目印
シントリ菜はアブラナ科の葉もの野菜です。明るい黄緑色の葉には細かな縮れがあり、その姿から「ちりめん白菜」とも呼ばれます。葉は繊細でやわらかく、白い軸にはシャキシャキとした食感があります。
白菜という名前から、大きく丸まった玉を思い浮かべるかもしれません。シントリ菜を料理に使うときは、白い軸と葉のやわらかさに注目してみてください。見た目が似た若い葉ものもあるため、品種を知りたいときは形だけで決めず、売り場の名前や生産者の表示を確かめるのが基本です。
「芯取菜」という名は、かつて料理にやわらかな芯の部分を使ったことに由来するといわれています。昭和40年代には江戸川区や葛飾区、足立区などで盛んに栽培され、中華料理にも使われました。名前には、食材を育てる地域だけでなく、料理人や市場での使われ方も映っています。
下ごしらえは、葉と軸を分けて考える
まず根元の硬い部分を切り、葉の間や根元に残った土を水で洗い落とします。食べやすい大きさに切るときは、白い軸と薄い葉をおおまかに分けておくと、加える順番を調整しやすくなります。
加熱調理では軸を先に入れ、やわらかな葉を後から加えるのが扱いやすい方法です。軸も葉も最初から同じ時間だけ煮るより、食感を見ながら仕上げられます。切る大きさや火の強さで加熱時間は変わるので、一律の秒数ではなく、手元の野菜の状態を確かめましょう。
シントリ菜の使い方|まず試したい3つの料理
最初は、特別な調味料をそろえるより、普段作っている炒め物や汁物に加えるところから。軸の歯ざわりと葉の口当たりを、それぞれ味わいやすい料理を選びます。
炒め物では、白い軸を先に炒め、葉を加えて仕上げます。肉やきのこなどと組み合わせる場合も、葉を長く加熱し続けず、ほかの具材の火の通りに合わせて加えると扱いやすくなります。味付けは手持ちの料理に合わせ、まずは食感を確かめてみましょう。
スープや味噌汁なら、いつもの葉ものの具材として取り入れられます。軸から加え、最後に葉を入れて、やわらかくなったところで仕上げます。油揚げと合わせた煮物など、だしを含ませる料理も楽しみ方の一つです。
おひたしも向いています。さっとゆでてから水気を整え、食べやすく切って味付けします。白い軸と葉の食感を比べると、同じ一株の中にも違いがあることに気づけます。ゆで加減は株の大きさや好みに合わせて調整してください。
生でも食べられる?サラダやサンドイッチにも
シントリ菜は生食にも使えます。よく洗って水気を切り、サラダにしたり、サンドイッチにはさんだりすると、葉の色と歯ざわりを生かせます。加熱した料理とは違う食感を試したいときの選択肢です。
生で使うときは、葉の傷みや根元の汚れを確かめ、よく洗って水気を切ります。白い軸が太い場合は薄く切るなど、その株の大きさに合わせて切り方を工夫してください。
旬と買い方|秋から冬の売り場で名前を探す
収穫時期の目安は10月中旬から3月中旬です。秋から冬にかけて出合いたい野菜ですが、露地やハウスなど作り方の違いもあるため、店頭への入荷時期や量は販売店へ確認しましょう。
東京産の農産物を扱う直売所やマルシェなどで、「シントリ菜」「ちりめん白菜」という名前を探してみてください。取り扱いが常にあるとは限りません。遠方から買いに行くときは、先に品目名を伝えて確認すると無駄足を減らせます。
売り場では、葉のしおれや傷み、白い軸の張りを見ます。生産者や産地の表示も一緒に確かめると、東京のどの地域から届いた野菜なのかを知る手がかりになります。
保存は冷蔵で、やわらかな葉から早めに使う
シントリ菜は葉が薄く、しおれやすい野菜です。買ったあと長く置くより、使う料理を早めに決めておくと、葉の状態がよいうちに楽しめます。
保存する場合は、新聞紙などで包んで冷蔵庫の野菜室へ。袋の表示や購入先の案内も参考にしながら、葉の変色や傷み、においなどを確かめ、早めに使い切りましょう。
一束の野菜から、東京の食と農を知る
野菜の名前、軸の色、葉の形、料理に入れる順番。シントリ菜には、買い物と台所で気づける小さな観察の入り口があります。家族で食べるなら、加熱する前後の食感を比べるのも一つの楽しみ方です。
江戸東京野菜を知ることは、昔の野菜を覚えるだけではありません。今、どこで育てられ、どんな料理に使われているかを確かめることで、身近な食卓と地域の農業がつながります。気になった品目を一つ選び、買う・食べる・学ぶ体験を少しずつ広げてみませんか。
よくある疑問
白い芯だけを食べる野菜ですか?
名前は芯の部分を料理に使ったことに由来するといわれますが、葉も食べられます。炒め物や汁物では、軸と葉のやわらかさに合わせて加える順番を変えましょう。
白菜と同じように長く煮込めばよいですか?
シントリ菜の葉はやわらかく、短時間で火が通ります。軸から加えて葉は後にし、料理と株の大きさに合わせて加熱を調整すると扱いやすくなります。
江戸時代からある野菜なのですか?
江戸東京野菜には明治以降に生み出された品種も含まれます。シントリ菜は昭和40年代に東京の東部などで盛んに作られた野菜として紹介されています。江戸東京野菜という呼び名だけで、すべてを江戸時代の品種と考えないことが大切です。
