早川町の山ぶどうがつむぐ物語 〜土と触れ合い、心満たされる穏やかな時間〜
都会の喧騒から離れ、ふと立ち止まりたくなることはありませんか? 指の隙間からこぼれる砂の感触、風に揺れる葉擦れの音、季節の移ろいを感じる木々の彩り…。そんな自然との触れ合いに心惹かれ、穏やかで豊かな暮らしに憧れを抱いているあなたへ。そして、大切なご家族との時間を、美味しいものを囲んでゆったりと過ごしたいと願っているあなたへ。
今日は、山梨県の西部に位置する、早川町とでとれる山ぶどうのお話です。早川町は、日本一の清流とも称される早川が流れ、南アルプスの雄大な山々に抱かれた、美しく静かな場所です。ここでは、かつて地域の暮らしを支えていた農業が時代の流れとともに衰退し、少し寂しい時期もありました。しかし、そんな中でも「なんとかこの美しい町に活気を取り戻したい」「次の世代に誇れるものを残したい」と願う人々がいました。彼らが目をつけたのが、この早川町に自生していた、力強くも可憐な「山ぶどう」です。
山梨県早川町の山ぶどうがつむぐ物語
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山々に抱かれた早川町で、心をほどく旅へ
早川町を訪れると、まずその息をのむような美しい自然に心が洗われるのを感じるでしょう。澄んだ空気、豊かな緑、そして清らかな水の流れ。まるで時間がゆっくりと流れるような、穏やかな空気が漂っています。
かつてこの町では、お米や養蚕、コンニャクなど様々な農業が営まれていましたが、時代の変化とともに担い手が減り、高齢化が進んでいきました。大切に耕されてきた畑が、少しずつ寂しい姿を見せ始めていました。この状況に心を痛めた町の人々は、「素晴らしい自然を活かして、何か新しい町の顔となるものを作れないだろうか」と考えました。そこで注目されたのが、この地の気候風土に根差した「山ぶどう」でした。自生しているということは、この土地との相性が良い証拠。しかも、比較的栽培に手間がかからないため、高齢になった方でも続けられる可能性を秘めていました。
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早川町に息づく奇跡の雫「ヤマ・ソービニオン」とは?
そんな中、早川町に運命的な出会いが訪れます。山梨大学の研究施設で、山ぶどうが持つ力強い生命力と、ワイン醸造に広く使われるカベルネ・ソーヴィニヨンという品種の良いところを掛け合わせた、新しい品種「ヤマ・ソービニオン」が開発されたのです。この新品種が、早川町の未来を切り拓く光となりました。
町の有力者であった水野定夫氏(平成15年:南アルプス山ぶどう生産組合長)は、この「ヤマ・ソービニオン」に大きな可能性を感じ、「これこそが早川町を代表する農作物になる!」と確信しました。そして平成7年には「南アルプス山ぶどう生産組合」が設立され、「山ぶどうの産地化」という大きな目標を掲げ、この新しい挑戦が始まったのです。
「ヤマ・ソービニオン」の素晴らしい点
「ヤマ・ソービニオン」の素晴らしい点は、糖度が高く、加糖しなくても美味しいワインが造れること。そして、日本の多湿な気候でも病気になりにくい、耐病性に優れていることです。さらに、栽培方法にはヨーロッパで一般的な、背の低い「垣根仕立て」が採用されました。これは、ぶどうの樹を低く仕立てることで、日当たりや風通しが良くなり、病気を防ぎやすく、また収穫などの作業も比較的楽に行えるというメリットがあります。
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もちろん、最初から全てが順調だったわけではありません。多くの組合員は、ぶどう栽培の経験がありませんでした。それでも、「山ぶどうづくりを通して、生涯現役で町を元気にしたい」という強い想いを胸に、早川町や農業の専門家、そして山梨大学からの手厚いサポートを受けながら、一つ一つ課題を乗り越えていきました。「山ぶどうづくり・生涯現役・町元気」を合言葉に、皆さん本当に活き活きと活動されています。ぶどう畑で額に汗しながらも、どこか楽しそうな笑顔を見ていると、こちらまで元気をもらえます。
手間ひま惜しまぬ愛情が育む、早川町山ぶどうの秘密
早川町の山ぶどうが、なぜこれほどまでに質が高いのか? それは、一つ一つの房に込められた、生産者の惜しみない手間ひまと愛情に他なりません。
美味しいぶどうを作るためには、ただ育てれば良いわけではありません。まるで我が子を育てるように、ぶどうの樹の様子を毎日観察し、その時に必要な手入れを行います。例えば、ぶどうの粒が小さなうちに、余分な粒を間引く「摘粒(てきりゅう)」という作業は非常に重要です。これによって、残された粒に栄養が集中し、凝縮感のある、風味豊かなぶどうに育ちます。房の形を整えることで、粒一つ一つの熟度を均一にし、ワインにしたときの味のバランスを良くする効果もあります。
また、病気や害虫からぶどうを守るための管理や防除も、ぶどうにとって最適なタイミングで行うことが非常に大切です。「この時期にはこの作業を」「この天気ならこうしよう」と、長年の経験に基づいた知識と、その日の天気やぶどうの様子を見ながら判断します。暑い日も雨の日も、ぶどうのために最善を尽くす。その地道な努力が、ぶどうの質を確実に高めていくのです。生産者の方々は「ぶどうを見れば、その年の苦労や喜びが全て分かる」と仰います。経験を積むほどに、ぶどうの声が聞こえるようになるのかもしれませんね。
自然との共存は、決して楽なことばかりではありません。数年前には、収穫前の時期に大雨で山道が崩れてしまい、畑に行けなくなったこともあったそうです。それからは、天気予報をいつも以上に真剣に確認するようになったと言います。また、冬には雪でぶどうの樹が凍えてしまったり、ハウスが潰れてしまったりしないように、大切な対策(ビニールハウスのビニールを外すなど)も欠かせません。厳しい自然と向き合い、試行錯誤を繰り返しながらぶどうを育てる。その努力があるからこそ、翌年もまた美味しいぶどうに出会えるのです。
一粒一粒に心を込める。山ぶどう収穫と選別の譲れない理由
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そして、ぶどう栽培の最も重要とも言えるのが、秋の収穫期です。早川町の山々が少しずつ色づき始める頃、真っ赤に熟した山ぶどうがたわわに実る光景は、まさに自然からの恵みを感じる瞬間です。
収穫されたぶどうは、品質を保つために、できるだけ早く醸造所に運ばれます。早川町には幸い、比較的近くにワイナリーがあるため、ぶどうが最適な熟度になったものから順に収穫し、すぐに運ぶことができます。これが、ぶどうの品質にとって非常に重要な、「最も美味しいタイミングで収穫する」ことを可能にしています。
しかし、収穫すれば終わりではありません。ここから、早川町の山ぶどうの品質を支える、最も大切な工程の一つが待っています。それが、「選別」です。
同じ房についていても、全ての粒が同じように熟しているわけではありません。また、2023年の夏のように温暖で糖度が高く美味しいぶどうができた年でも、残念ながら獣害に遭ってしまい、収穫量が減ってしまうこともあります。そのような限られた収穫量の中で、早川町の特産品であるワインやジュースの品質を最高の状態に保つためには、一粒一粒を自分の目で見て、触って、最高の状態のぶどうだけを選び出す、という気の遠くなるような作業が不可欠なのです。
傷ついた粒、熟度が足りない粒、熟しすぎた粒…。それらを丁寧に取り除くことで、ワインやジュースにしたときに雑味が出たり、品質が落ちたりするのを防ぎます。この選別作業は、まさに早川町の山ぶどうの「顔」を決める、責任ある仕事です。本会では例年、地域の方々と「山ぶどう収穫選別隊」として、この大切な作業を手伝っています。町全体で特産品の品質を守り、育てていこうという強い意志が毎回感じられます。この手間ひまを惜しまない選別があるからこそ、早川町の山ぶどうは、深い色合いと豊かな香りを持ち、飲む人を感動させる力を持っているのです。
山ぶどうがつむぐ物語。心満たされる早川町の特産品
こうして、早川町の豊かな自然と、人々の情熱、そして丁寧な手仕事によって生まれた「ヤマ・ソービニオン」。この奇跡の雫から造られるのが、早川町を代表する特産品、赤ワイン「恋紫」と、100%山ぶどうジュースです。
赤ワイン「恋紫」は、その名の通り、見るからに濃厚な深い紫色が特徴です。そして口に含むと、山ぶどう由来の力強い風味がありながらも、すっきりとした軽やかな飲み口で、どんなお料理にも合わせやすいのが魅力です。一口飲むたびに、早川町の美しい風景が目に浮かびます。
そして、甘味料などを一切加えず、手作業で丁寧に絞られた山ぶどうジュースは、まさに自然の恵みがそのまま詰まったような味わいです。山ぶどう本来の豊かなポリフェノールがたっぷり含まれており、自然で優しい甘さがじんわりと体に染み渡ります。毎日の健康のために飲むのも良いですし、炭酸水で割ったり、ヨーグルトにかけても美味しくいただけます。
この特産品は、単なる飲み物ではありません。そこには、早川町の歴史があり、山ぶどうを育ててきた人々の汗と笑顔があり、そしてこの美しい町への深い愛情が詰まっています。山ぶどう ジュース の 効果について調べている方もいらっしゃるかもしれませんが、早川町のジュースには、健康への期待だけでなく、飲む人の心を豊かにする物語が詰まっているのです。また、ヤマソービニオン ワイン 特徴を知れば知るほど、その希少性と早川町の人々の情熱を感じていただけるでしょう。
おわりに
山梨県早川町の山ぶどうは、かつて農業の衰退という課題に直面した町の人々が、地域の宝である山ぶどうに光を当て、情熱と努力によって大切に育て上げた、まさに希望の象徴です。ヤマ・ソービニオンという素晴らしい品種との出会い、そして長年の試行錯誤の末に確立された栽培技術は、早川町の自然と人々の知恵が結集したものです。特に、ぶどう一粒一粒に目を配り、手間ひまを惜しまない収穫と選別は、ワイン「恋紫」や山ぶどうジュースといった特産品の高品質を支える、譲ることのできない大切な工程です。早川町の山ぶどう、そしてそこから生まれる特産品には、この町の歴史、人々の温かさ、そして豊かな自然が凝縮されています。ぜひ一度、早川町を訪れて、美しい自然の中で心を癒し、山ぶどう畑を眺め、そしてこの特別な一杯を味わってみてください。きっと、あなたの心が満たされ、穏やかで豊かな時間の大切さを改めて感じることができるでしょう。早川町は、あなたが求めている「土に触れる喜び」や「大切な時間」を過ごす場所として、きっと温かく迎え入れてくれるはずです。
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